クマ被害急増と“AI偽動画”の落とし穴
2025/11/17
こんにちは!水産事業部の太田です。
本日は、今日本全国で大きな話題になっている「クマの出没・襲撃の急増」について触れてみたいと思います。
自然豊かな北海道に住む私たちにとって、決して他人事ではありません。
さらに今年は、もう一つ大きな問題が起きています。
それは“AIによる偽のクマ動画が大量にSNSで出回っている”ということです。
実害と偽情報が同時に広がり、状況は複雑さを増しています。
◆ 今年は「13人死亡・100人超負傷」
2025年は、過去に例のないスピードでクマ被害が増えています。
背景には、次の要因が指摘されています。
- 山の食料不足(ドングリ不作など)
- 冬眠入りが遅れる可能性
- 過疎化で“人と自然の境界”がなくなった地域の増加
特に北海道や東北では、住宅地や道路、農地など、「人の生活圏ど真ん中」に現れるケースも増えており、
日常生活のリスクが高まっています。
◆ 新たな脅威:AI生成の“偽クマ動画”
本来なら「出没情報=命に関わる重要情報」です。
しかし今年は、SNS上に以下のような“実在しない映像”が大量拡散しています。
- コンビニに侵入するクマ
- 学校に乱入するクマ
- 車へ突撃するクマ
調査では、SNSで拡散されているクマ動画の約6割が AI生成 or 虚偽というデータもあります。一見リアルなため、多くの人が「本当に起きた」と錯覚してしまい、誤った恐怖や誤情報が広がってしまいます。
◆ “本物”と“偽物”の境界が崩れるリスク
AI動画の厄介な点は次の3つです。
- ① 本当に危険な情報が埋もれる
- ② 不必要な不安・混乱を生む
- ③ 行動判断を誤らせる
物流関係や屋外作業の多い業種では誤情報によって、
「実は危なかったのに気づけなかった」「危険じゃないのに作業がストップした」など、現場への影響も考えられます。
◆ 今すぐできる“身を守る3つのポイント”
① SNSの動画は「まず疑う」
インパクトのある動画でも、いきなり信じず、自治体・警察・消防などの公式情報を最優先に確認しましょう。
② クマと遭遇したら「走らない」
- 目をじっと見ない
- 背中を向けずゆっくり後退
- 襲われる際は、うつ伏せで頭部を守る
これらは林野庁・北海道庁が共通で注意喚起している内容です。
③ 作業現場・物流現場では“出没マップ”の共有
- 朝礼で目撃情報の共有
- 最新の出没エリア地図の確認
◆ 最後に:情報の時代だからこそ「静かな判断」を
今年のクマ問題は、“自然”と“AI”という全く別領域から同時にリスクが迫っている点がこれまでと大きく違うところです。
私たちは膨大な情報の中で生活しています。だからこそ、
「本物か?」
「何が正しい情報か?」
を冷静に見極める視点がますます重要になっています。
地域で働く皆さんの安全が何よりも大切です。
今後も最新情報をお届けしますので、日々の安全管理に役立てていただければ幸いです。




